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エルヴィスのhawelka1992のレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.8
エルヴィス・プレスリーについては、歴史の資料映像で、アメリカの大戦後の富と文化の象徴として使われていたが、ちゃんと聴いたこともないし、どんな人なのかもわかっていなかった。この映画を通して、どれだけ偉大であったのか、そしてポップ・アイコンの必然として、どのように破滅していったかを知ることができた。おそらく偏った視点での話ではあるのだろうが、悪趣味なほど派手で、そして魅力的な映像と、そして、黒人差別が色濃く残るアメリカで、ブラックミュージックを拡めた偉大さへのリスペクトに、心を打たれる。

プレスリーの曲は素晴らしいし、各所に散りばめられた黒人の歴史を引き受ける白人男性の物語であるが、あまり政治性を高めすぎず、あくまでもポップな映画としてプレスリーの魅力を描いていてよかった。

トムハンクスが演じるプレスリーのプロデューサーについては、悪辣すぎる気もしたが、視点が彼からなのも面白い。

プレスリーを知るゲートウェイとしても、娯楽映画としても、個人的にはすごく楽しめて良かった。
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