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エルヴィスのjirowakatsukiのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.8
ミュージシャンの自伝的映画で必ず出てくるのが、金銭トラブル・契約・薬物問題なのだが、シーンとして見てると辛くなってくる。マネジメントがまだ確立していなかった時代だからと言えばそれまでだけど、問題があったのは事実なわけで、今でも解消しているとは言いがたいのがなんともはや。

この映画を見ようと思ったのはライブシーンが素晴らしく、映画館で見るべきだとの評判を聞いたからだが、まさしくその通りだった。
エルヴィスがどんな風に聴衆を魅了していったか、そして中盤で自身のルーツである黒人音楽を取り戻していく過程は観ててゾクゾクした。

色々な問題は解消されないまま映画は終わる。
大佐だけを責めきれないのは決してトムハンクスが演じているからではなく、エルヴィス自身も高みを目指していたからこそそれを選択し、深みにはまっているから。だからつらい。

最後で語られるように、ミュージシャン・アーティストを追い詰めているのは大衆なんだと思い知らされる。
我々はミュージシャンに素晴らしい作品を見させて欲しいし、長生きもして欲しいと、常に願っているばかりだ。

身勝手でごめんなさい。
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