RAMPO

エルヴィスのRAMPOのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.2
「ボヘミアンラプソディー」のヒットにあやかり、その後有名アーティストの半生記作品が幾つも誕生したが、本作もその一つ(かな?)。

本作を手に取ったのは、予告編が素晴らしかったから。
派手なピンクの衣装と軽く崩したようなリーゼントの細身の若者が、扇動的なダンス、それまでの白人ポップスとは一線を画す楽曲で会場に集まった女性客の熱狂的な支持を受けるシーン。これはもしかしてボヘミアン…並の感動を与えてくれるのではと期待したから。

で、結論は…残念ながら、期待とは程遠いものでした。
んー何でだろう、やはり世代が違い、聴き馴染んだ楽曲がそれほど無いという辺りが大きいのかもしれないし、そもそも特定の楽曲の成り立ちに焦点を当てていないって辺りにも、物語そのものに深みを感じなかった一因かな。

何にしても、天才的な才能をもった若者がその取り巻きとなる者達のハイエナの如くの私利私欲のために食い物にされたって基本線はボヘミアン…と変わらない。
が、前述のようにエルヴィス、またその楽曲の描き方に深みが感じられず、殊更、件のマネージャー“大佐”の自分勝手さのみが目立って(演じたトムハンクスが役者として“流石”ってことかもしれないけど)、嫌悪感の方が先に立ってしまった。

まぁ、とはいえ“史上最も成功したソロアーティスト”と言われるまでに成功した彼を支え導いた功績もまた否定はできないのでしょうね。

個人的には、当該予告編のシーンが本作におけるピークでした。
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