鹿shika

エルヴィスの鹿shikaのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
3.6
貧しい家庭に生まれ、黒人音楽の中で育ち、革新的なロックアーティストとなった伝説の男エルヴィス・プレスリー。世界中を魅了する彼は、マネージャーであるトム・パーカー大佐と二人三脚で成り上がって行くが、、

自分は小学生の頃、フルハウスに道徳やら文化やらを育ててもらった幼少期だった。その中でもプレスリーおじさんの、ジェシーおいたんにプレスリーの曲を教わったよな〜
だからこそ、この映画は自分の中で「ジェシーおいたんをギャフンと言わせられるかな??」という評価基準を無意識にやってた。

大丈夫そうです!!
ジェシーおいたんが言ってた、腰の振り方、歌っている時の表情(片側の口を上げる)、ステージの使い方、足のリズムと角度、スカーフの投げ方etc.
ジェシーおいたんが言ってたプレスリーに成り切る秘訣を、完璧にやっていたね。

ピンクのキャデラックに乗ってた時に、絶頂期だったのを表している様で、分かりやすくて良かったね。
あれこそが“アメリカン・ドリーム”や!!!

そして彼自身、自分の中でも伝説の偉人すぎて、がこんなに彼が悩んでいたことも知らなかった。
そうだよな。人よりも幸せの分泌量が出る回数が多すぎて、ちょっとのことでも幸せや、やりがいを感じることが出来なくなる。そしてそれを補うように薬から逃れれなくなる、、

映画の始まり方も興味深く、大佐(トムハンクス)のセリフから始まる。
「エルヴィスを殺したのは私だと言われるが違う。彼は薬でも酒でもなく、あいに殺された」
私も にわかなんで、そんな噂も全く知らなかったし、
彼がどのような最期だったのか想像もしたことがなかった。

彼は生粋のロッカーなので、やりたいことを、
死ぬまでやっていたかったと思う。
それが仕事でなく、趣味の範囲ならずっと幸せに曲を作り、歌えたのかもしれない。
盟友に「やりたいことをやれ。お前は白人だから大丈夫だ」と言われるが、
大佐には、バッシングされないように「指も腰も動かすな」と命じられる。
ロッカーとして気にせずパフォーマンスをする彼はとてもカッコ良かったし、魂が熱かった。
それが”キング・オブ・ロックンロール”と呼ばれるようになった背景なんだろう。

しかし、人と関わることで制限され、そこに収まり切らない彼のカリスマ性と、
求める人々に揉まれ、自分がわからなくなり、ボロボロと壊れて行くのが分かった。
確かに彼は”愛に殺された” だが伝説には変わりないよな。
身近に彼がいたら、見ていられないだろうな。
鹿shika

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