にわ

エルヴィスのにわのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
4.5
ロックの破滅的かっこよさが最初のライブのシーンで描写されてて最高だった。
オースティンバトラーのステージ上のパフォーマンスと、それによって女性客が次々に狂い倒れて、ヤバさが感染して行くのが最高、女性客は歓喜して、男性客は戸惑っている感じが、新しいものが来たときの大衆の反応って感じで面白い~
最初のツアー行くまで、トラック運転手のエルヴィスがメンフィス(ビールストリート?)を闊歩するシーンで、後半ほぼ使われてなかったような気がするトラップの楽曲(doja catのvegas)がbgmとして流れてて、当時かかるわけない音楽という意味でも最強にフックがあって引き込まれた。
ブルース、ロック界の伝記の映画に、ラップが入るみたいな、別ジャンルの音楽、時代を考えても存在しないはずの音楽があるのは、いやって人はいるかもしれないけど個人的にはめちゃくちゃフェチだと気づきました。
子供の頃のエルヴィスが黒人のキリスト教洗礼が行われるテントに入るシーンもカッコ良すぎた。何かやばいものに吸い込まれて行く少年の初期衝動から始まり、テント内に充満するカオスなバイブスが歌と踊りでぶち上げられ、白人青年が混じって行く、マジ生誕って感じ。
オースティンバトラーの演技も最高。顎引いて眼前を見つめる力強い、挑戦的で反骨的な視線は釘付けになってしまう。フェイドラウサもそりゃいいよね。
カット割り細かくてかなり刺激の強い感じは、おそらく当時エルヴィスが醸し出してた性の魅力と同じような匂いを持ってるんじゃないかなと思ってしまうくらい。伝記映画はそんなに見たことないけどこんな作家性あるもの見たの初めてで癖になりそう。最初は正直酔ったけど。
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