オレオレ

エルヴィスのオレオレのレビュー・感想・評価

エルヴィス(2022年製作の映画)
2.5
コッポラの「プリシラ」を見たので、旦那の話も見てみる。
バズ・ラーマンの金ぴか世界に食あたり・・・

キングオブロック、プレスリーのデビューから終わりまでを彼の強欲マネージャー、パーカー(トム・ハンクス)が語る。
このパーカーはプレスリーを食い物にしたとされており、そうじゃないんだよ!というパーカーの正当化というプリズムがかかっているので面倒くさい。
とはいえ、そもそもプレスリーに興味ないから、正当化もくそも、ああそうですか、という感じ。

貧乏なプレスリーは黒人の住むエリアで育ち、ゴスペルや黒人音楽とされていたブルースに大きな影響を受けて育つ。
テントの教会でハレルヤ大合唱、売春宿での黒人の歌などで「洗礼」を受ける幼少期のエルビスや、テネシーのビールストリート時代のバンド活動などがある前半は勢いがあり、見ていて楽しい(バズ・ラーマンのピカピカや忙しい編集が苦手だとここでアウトだと思うけど)。
いわゆる腰振りで歌う姿が公序良俗に反する、ということでバッシングされるプレスリー、軍隊入隊でイメージ回復させる!というパーカーの戦略は当たるが、もうこの辺からタレントとプロモーターの関係がズブズブ・・・。
後半は自分の歌いたい歌と世間が求める歌やイメージとの違いに悩むプレスリーや、とにかくプレスリーを利用とするパーカーが描かれるけれど、「騙されたキング」一辺倒でなんだかなあ、となってくる。
ヤク中でじゃんじゃん浮気、という感じだった「プリシラ」の方のプレスリーを見た後だからか、悲劇のキング+悪徳プロモーターの構図がしつこい。そしhて、全米の良識のイメージが付き過ぎたトム・ハンクスの悪役が最後まで違和感・・・。なぜ彼をキャストした?
一方のオースティン・バトラーは頑張っていたと思うが、セリフが少なすぎ~
ストーリーが、トム・ハンクスの語りと新聞の見出しで進んでいくので、オースティン・バトラーもっと活かせよ!って思ったり。まあ、映像で全部見せます、がバズ・ラーマンだからなあ・・・

余談、薬からくる心臓発作で死ぬっぽいプレスリーだが、私はどこかで「バナナとピーナツバターのサンドイッチ食べ過ぎ」で心臓発作というのを聞いた記憶があり、それ以来、ピーナツバター食べ過ぎに注意しています、いやホント。まあ、晩年は肥満気味であったから、PBの影響もゼロではないだろうと思うが。