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tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!のYYamadaのレビュー・感想・評価

4.0
【音楽映画のススメ】
~ 音楽と映像の素晴らしき
   コラボレーション

◆作品名: tick, tick... BOOM! :
チック、チック...ブーン! (2021)
・作品のジャンル : ミュージカル
・楽曲のジャンル : オリジナルポップス

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・1990年のニューヨーク。食堂のウェイターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサンは、もうすぐ30歳を迎え、焦りを覚える。
・自分の夢に価値はあるのか、時間を無駄にしているだけではないかと自らに問いかけながらも、時だけが過ぎていき…。

〈見処〉
①現在最高のミュージカル作家が描く、
 伝説のミュージカル作家とは——
・『tick, tick... BOOM! : チック、チック...ブーン!』は、2021年に製作された伝記ミュージカル映画。Netflixにより2021年11月から独占配信されている。
・本作は、ロック・ミュージカルの金字塔「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化したもの。
・本作の主演は『アメイジング・スパイダーマン』シリーズのアンドリュー・ガーフィールド。ミュージカル作曲家を目指し30歳を迎えようとする、実在の作曲家ジョナサン・ラーソンに扮し、運命を左右するパフォーマンスを数日後に控える中、恋人や友人など様々な問題へと直面していく姿を熱演。
・作中に登場する楽曲は、生前にジョナサン・ラーソンが自ら手掛けた曲が使用されている。

②リン=マニュエル・ミランダ
・本作の監督を務めるのは、1980年生まれの作曲家・作詞家・劇作家・歌手・俳優にて活躍するリン=マニュエル・ミランダ。
本作が彼の長編映画監督デビュー作となる。
・ミランダは、2008年に自らが作曲・作詞・主演したブロードウェイ・ミュージカル「イン・ザ・ハイツ」にて、トニー賞ミュージカル主演男優賞にノミネートされた以降、ピューリッツァー賞、グラミー賞3賞、エミー賞、マッカーサー・フェロー、トニー賞3賞、ハリウッド・ウォーク・オブ・フェームを受賞する、現代ミュージカル界の若き巨匠。
・彼の代表作は、2015年8月に開幕したブロードウェイ・ミュージカル『ハミルトン』。ヒップホップでアメリカ建国の父を描いた本ミュージカルは、アメリカの社会現象となった。
・近年は、映画のジャンルに活躍の幅を広げ、『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)のマズ・カナタの酒場のシーンや『モアナと伝説の海』(2016)の作曲を手掛け、ミュージカル・ファンタジー映画『メリー・ポピンズ リターンズ(2018)では、ゴールデングローブ賞 映画部門 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門)にノミネートを受けている。

③結び…本作の見処は?
これは…傑作では!?
◎:「ミュージカルを作るミュージカル」のユニークな構成。楽曲のリハーサルシーンの間に、主人公の日常生活をちりばめ、非日常空間にならないミュージカル作品となっている。明るいドラマ映画としても、成立している。
◎: 演技とはおもえない。普段着で表情豊かに歌と演技をこなすアンドリュー・ガーフィールドの魅力が凝縮。2022年のアカデミー主演男優賞ノミネートも当然!
○: 作中を彩る唯一無二な楽曲の数々。初めて聞く曲ばかりながら、日常感に溢れてるナンバーはどれも心地よい。ガーフィールドのスイミングシーン、批評家を集めたデモ舞台にゆる二人の女性ボーカルのシンクロ、友人を思うラストの感動的な熱唱…どれも大変素晴らしい。
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