はるな

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!のはるなのレビュー・感想・評価

5.0
ミュージカル・舞台演劇の方面には無知で、ジョナサン・ラーソンや『レント』も恥ずかしながら今回の映画で初めて知りました。それでもこの映画で描写される説明だけで彼の人となりも業界に残した功績についても大体分かるようにはなってたと思います。

30歳を目前にしても夢を掴めず、業界の偉大な先人は自分と同じ年齢のときにはデビューしていたというのに自分は未だ芽が出ずバイト生活で焦燥感だけが募っていく。
「夢は人を食いつくす」
"夢を追う"という呪いにかけられたジョナサン
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
『ファイト!』の歌詞がよぎる
人生の節目、自分で選択し何者かにならなければならない時期に来た今の自分の状況とも重なって序盤からジョナサンとその親友マイケルに感情移入しっ放しでした。

『ソーシャルネットワーク』で見せたアンドリュー・ガーフィールドの、圧倒的才能を持った人の"横に立って所在なさげにはにかんでる人"感の演技も最高でしたが今回の燻ぶり続けてちょっと汚くなった才人的な演技も見事でした。『沈黙』『ハクソー・リッジ』『アメイジング~』と毎回違った魅力的な演技を見せてくれましたが本当に凄い役者さんだ、そしてまた今回新境地を開いて見せてくれて感動しました。主演男優賞を逃したのは残念ですが、なんとなく"俺たちの世代の俳優"感がして改めて大好きな俳優になりました。
はるな

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