本作では、金儲けだけが目当ての連中もたくさん描かれていましたが、そいつらではなくて、ソンドハイムやローザのような、長年その業界で生き残ってきた本当のプロが若手に与えてくれるアドバイスや励ましの言葉がどれほど当事者にとって力になるか(実際にソンドハイムの言葉のおかげで主人公は二年間も努力できたというセリフが存在している)も描かれていました。つまり、芸術家の厳しい現実だけでなく、そのような厳しい現実の理解者もいるという現実にも、スポットライトが当てられていた点が、この映画をとても輝かせていたと思います。