ひでG

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!のひでGのレビュー・感想・評価

3.7
タイトルがユニークで気になっていたので、サクッと配信からチョイス。
予備知識はなく視聴。

映画となった「LENT」を昨年観たが、このミュージカルの凄さをそれまで全く知っていなかった。

ブロードウェイで12年間のロングラン。
ロックミュージックと伝統的なブロードウェイミュージカルの融合。
少数民族や性的マイノリティや麻薬中毒者など、今までは劇作で描かれなかった人々を主役に据えた先駆的なミュージカルだったんだ。

この「RENT」を30代で創り上げたのが、
本作の主役ジョナサン・ラーソンだ。
その彼が、まだ売れるまで、いや、売れる直前の29歳を描いたのが本作。

この作品の特徴は、アンドリュー・ガーフィールド演じるラーソンが制作中のミュージカルとそれを発表している場面とがリンクしていて、観客が制作の過程と完成した舞台を交互に観ることができるというところだろうか。

まだ下積みのクリエイターが最後のチャンスにかける直前の葛藤がラーソン自身のピアノと歌で語られている。

多くのパフォーマーもアーティストも芸人
たちがアルバイトをしながら、認められてる時を待って、努力を重ねているんだろうな。
段々、夢を諦めたり、現実的な選択を迫られたり、、本作でもラーソンの幼馴染で共にエンタメで名を売ることを夢見た友人は一般企業で成功し、ラーソンの恋人は、自分と地方で暮らすことを彼に促している。
もう、待ったなし、ラストチャンスにかける彼が置かれた立場がより音楽を劇的に盛り上げていく。

ピアノを弾き、歌を歌うガーフィールドがとても魅力的だ。これがブロードウェイに繋がっていくんだなと、アメリカンミュージカルのクオリティーの高さを感じることができた。

ラーソンを演じたアンドリュー・ガーフィールドも魅力一杯だが、恋人スーザン役の
アレクサンドラ・シップもキュートでとても素敵だった。

新春にふさわしい夢のあるミュージカルでした。
ひでG

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