風来のリヨナ

tick, tick...BOOM!:チック、チック…ブーン!の風来のリヨナのレビュー・感想・評価

5.0
1990年に30になる

2週間後には30歳になってしまうこと…より厳密には何も為していないのに30になってしまうことを焦る売れないミュージカル作家のジョン。一緒に都会に来て役者を諦めた親友は出世していくし、怪我してから道の継続を迷うダンサーの恋人は遠くに仕事が出来て、一緒に引っ越そうと誘ってくる…。共に夢を追った同居人はもう誰もいない。

そんな中で一世一代の作品『スーパービア』の全曲試聴会に漕ぎ着けた彼。有名どころも観に来るらしく、後は最も大事な一曲を書き上げるだけ…書けない!…みたいな。



ネトフリちゃんによる、早逝のミュージカル作家の伝記+ミュージカル映画。これはね…ネトフリ入ってみて良かった〜と思いました!

開幕の「もう30/90だぞ!」の歌でガッシリと掴まれ、ほとんど引っ切り無しにやってくれるミュージカルで2時間あっちゅうま。そして現在時間でジョンがやっている公演に並行して、ここに至るまでの過去がスルスルと流れる構成も面白いです。曲も毎曲ジャンルが違う楽しさ!

ジリジリと期日に追われ…いつもは出来る曲が出来ない…友人たちは身を固め始めてる…恋人にも選択を迫られる…伝説的な創作者たちは自分の頃にはもう…

酒を飲んで「人生はこんなもん」と歌い、あの人の「あの曲と歌詞は一級品だった」その言葉だけで2年も動けてしまう…そんな創作者の悲痛な苦しみと熱い青春がたっぷり…あ〜〜”良い”…起きてることはキツい…でも決して暗くない…良い…

創作畑の人が観た時に何を思うかが気になる〜観よう!!

個人的に気に入ったのは、皿洗い機こんにちはの歌、プールの演出、「鉛筆を削り始めろ」って台詞です。
風来のリヨナ

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