8637

子供はわかってあげないの8637のレビュー・感想・評価

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)
4.2
終映後に上白石萌歌さんが是非ハッシュタグ付きで感想挙げて下さいと言っていたのでつけてみた。

...それはともかく「尊い」の塊の様な映画だった。
沖田監督、いつも通りの会話劇とエモーショナルだけの真っ向勝負にも関わらず新境地だった。
高校生の物語だからこそ、知るにはまだ未熟な思いを幾つも抱えているままの夏休みのスリル。その水の青さに体感温度すら下がった。

今昔を超えた言葉の慣習にやはり新しさを感じてしまう、満ち足りた脚本力は勿論、映画内に地味に"推し"の概念がある事に萌えた。

千葉雄大と斉藤由貴には今までにない異彩な印象が付いたり、「プー金」好きの自分には湯川ひなが主要寄りのキャストで登場していて驚いた。しかも水泳部。。
古舘寛治の父親役はいつも通り儚い...笑。

極めつけは豊川悦司演じる実の父との数日間。知らぬ間に作られた関係性を眺めながら、未練がましく冷徹でも、子供の嫌味じみた一言でも受け止めてくれて温かな愛を持っているこの父を、師にでもしようかと思った。
こうやって、観る側が恥ずかしくて誤魔化して笑ってしまいそうな絶妙な関係性を築くのが、沖田監督は上手い。

鈍感を抱えて生きる若者たちだからこそ、想いを"感じ取る"側から"伝える側へと移り変わる様なラストシークエンスは純粋そのもので、その想いを僕は可愛さというか、あどけなさと認識した。

僕は感想書くのが下手なのでこれ以上の良さが引き出せない。多分この思いは自分で直接感じ取るべきだ。よければ劇場で。
8637

8637