くさむすび

子供はわかってあげないのくさむすびのレビュー・感想・評価

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)
4.7
もう全てが好き。胸騒ぎがくるほどに好きな作品だった。140分近くあり割と長尺の青春映画でありながら、その長さを微塵と感じないほどにストーリーにのめり込んでしまった。まず、洗練された演出の数々に目を見張る。誰もいないリビングにサーっと現れるロボット掃除機や、美波はパサパサしたお菓子を食べているのに産みの親・藁谷は水気のある氷をガリガリしていたりの対比など。その場だと意図が分かりそうで分からない、けれど時が進むにつれ分かっていく辺りに凄みを感じた。あと物語の本筋とは関係のないところで笑わせてくる所が楽しい。笑ってほしいので詳しく言及しないけどとある人の家の玄関に「勧誘・セールスはお断りします」とのパネルを貼っていたり、クスっとさせられるところが多い。自分を産んだ親との再会、趣味を通じて知り合った男の子との恋。全く別角度に思えるテーマなのに二つの物語を通じての着地点、伝えたいであろうテーマがリンクしてくるという点にはもう全面降伏。
これはどうしても夏に見たいです。冬という真逆の季節に見てしまったので、見ながら「はやく夏が来てほしい」と思いながら見ていた。暑い日にざるうどんが食べたい。な!
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