ぺ

子供はわかってあげないのぺのネタバレレビュー・内容・結末

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

映画も悪くないけど、漫画の方が良かったかなー…という原作厨の感想となった。これはもう完全に尺の問題ではある。上下2巻の漫画を1時間30分では無理だ。

まず冒頭。サクと門司くんが話をするキッカケとなる劇中劇のアニメ。これが結構長尺で流れる。「見る映画間違えた⁉︎」的ギャグを狙ってるのだろう。それでいて実は「親子」の話をしており、場面が変わって本編になっても団欒のシーンが続く。この時点で、なるほどストーリーの構成要素の内、「親子」に焦点を絞ったなと思う。実際、監督インタビューとかでも尺の都合でそうせざるを得なかったとある。
ただ、そもそもストーリーの重要な要素として「親子」の他に「サスペンス」「少女漫画的ロマンス」がある漫画だ。その内の「少女漫画的ロマンス」は、全体の最初にちょっとしたエピソードがあって、それが最後にロマンチックに効いてくるのだが、それがどうも薄れてしまったように思う。
門司くんの伏線は上手く落とし込んだと思う。問題はサクちゃんだ。あの笑っちゃう設定では性格が悪いやつのようにも見えてしまう。原作は最初にあるエピソードを門司くんが話し、それ故に自身が「これは!」と察するから目隠しが自然になる。映画は説明ない分、唐突に見えたかな。映画版門司くんはそんな女の子に急に触れることが出来るようには見えないし笑。

「サスペンス」はもうバッサリ無くなっている。完全に尺の都合だが、それはまぁ仕方ない。でもカットしちゃったもんだから、やっぱりストーリーに歪みが生じているように思う。
そもそも、ある事情があり、門司くんのお兄さんである探偵はサクちゃんを新興宗教の教祖である実の父親のところに預けるのだし、サクちゃんも数日宿泊する理由はある。そうでなければ、誰が好き好んで人の頭が読めるとかいう人の元に宿泊したいのか。それがどうしても道理が通らないように思う。元親子だとしても…10年以上会ってない親に?その親が新興宗教の教祖で、透視能力があるとか言ってて?俺なら挨拶してすぐ帰るが…
そして千葉雄大。映画のストーリーなら性転換させる必要がない。当て書きギャグ…? まぁあんまり面白くない。「漫画を実写にしても碌な事がない」…これもそんなに。

なんか否定的だが「家族」にテーマを絞ってポイントは抑えているので、訳わからん話にはなってない。おっさんトヨエツも良かった。
是非「水は海に向かって流れる」も、むしろこっちの方が実車向きではないかと…。
ぺ