キング牧師暗殺の数年前、黒人差別が横行する1960年代アメリカで、社会の枠組みに逆らい裏をかいて、不動産と銀行ビジネスのあり方に一石を投じた黒人2人の物語。
アメリカンドリームを謳い平等に権利が与えられるはずのアメリカで、なぜ黒人にはチャンスが与えられないのか。
野心を持ちながら差別や不平等な社会のあり方にことごとく道を阻まれるバーナード。
母親が残した富で白人ともビジネスをしながら成功を収めるジョー。
その2人にパートナーシップの"顔"として教育を受け、白人と黒人の間で立ち回るなかで白人男性に生まれた特権の大きさに気づかされるマット。
黒人を見下す白人たちを出し抜いて成功を積んでいく展開にはスカッとしたけど、常に違和感と理不尽さに対する腹立たしさがあって。
感情をあらわにしないからこそバーナードが内に秘めた憤りもひしひしと伝わってきた。
それから、まともな仕事につけない女性に対する社会の扱いに憤りながら、何があってもそばで支える妻の強さも印象的。
少しずつ芽生えてきた信頼と友情を試される場面は割とあっさりしてたけど、後味いいエンディングだった。