April01

アダムス・ファミリーのApril01のレビュー・感想・評価

アダムス・ファミリー(1991年製作の映画)
3.9
音楽は有名だから知ってたけど、これがアノ!って感じで、ナニコレスゴイ!!!ってなる。この世界観、自分好みすぎてヤバイですよ。
偽善の苦手な自分の感覚にピッタリはまるし、1930年代レトロチックなゴシック様式のプロダクト・デザインや衣装も、このブラックな世界とブラックな奴らにピッタリ。
そして常識的に言えば、はみ出し者たる彼らの家族や仲間内の強い愛情と絆が、一癖ある変わった形で描かれ、たとえこの世界に不適合であっても、生きていっていいんだよという不思議ポジティブなパワーを感じさせてくれる作品。

特に好きなのが、お金さえあれば大人になったら屋敷の中で勝手に暮らしていればいいかもだけれど、子供のうちは、一般のよその子と同じ学校へ通わなくてはならない。
今だと、それさえ通えなくて不登校になったりホームスクーリングだとか、現実に色んな工夫がされているわけだけれど、このアダムス一家は堂々と、普通の学校へ子供を通わせ、滅茶苦茶なことを平気で通す。普通の親や普通の子供や普通の教師はドン引きなんだけど、へっちゃら。
そういう強さが特に好き。学芸会の血しぶきドヒャーの場面は本当に笑える。
わざとらしく、多様性とかのたまう偽善はみじんも感じられないところが爽快!

こういう一種のファンタジーものでは、こういう世界ですよと冒頭で世界観の説明から入るのが普通なのに、本作はなんの説明もなく、ただ変な奴らが変なことしまくり、それが終盤に入ってもそのまま続く。
カズン・イットなんか、あそこまでストーリーが進んでいながら、いきなりの登場で本当わけわからないし😆カオナシ的な存在なんだけど、めちゃくちゃマイペースでモップ頭を振り回しながら存在しまくる。凄いな~。
原作漫画の強い力とそのパワーをそのまま映像化したことを感じる。
April01

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