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永遠が通り過ぎていくのsingerのレビュー・感想・評価

永遠が通り過ぎていく(2022年製作の映画)
3.0
今作の監督である戸田真琴さんを知ったのは、多分最初はInstagramだったと思う。
なんの投稿だったのかは忘れたけど、彼女のアカウントをフォローして、投稿を幾つか見ているうちに、noteの方でも記事を投稿もされている事を知った。

その、noteに書かれた、「讃歌/上映最終日の夜に」という記事を読んで、さらに興味が深まって。
この文章を書いた人が作った映画だったら、是非、一回観てみたいなと思った。

彼女がAV女優だと言うことも、何となく知ってた。
でも、今でも現役だとは思ってなくて、何でも今年いっぱいで引退されるそうで。
そういう事もあってか、最初は”可愛い人だなぁ”とか、そういう部分から彼女に興味を持ってったのかなぁとは思うんですが、今となっては本当に凄く研ぎ澄まされた感性を持った人だと思っています。
文筆家とも言われている、その文章にも毎回唸らされていて、自分にとってはとても刺激を与えてくれる人のひとりですね。

そんないきさつがあって、今回、京都の出町座で彼女の作品が上映されるという事だったので、公開期間が短い事もあってか、行ける時に行っておこうと思って観てきました。

しかし、60分という時間で3本の短編を中心に描かれる物語については、正直、ちょっと難解だったというか、わりと導入も突拍子もなくて、台詞の数々も散文詩のようでもあり、その深みの部分まで触れる事は出来なかったと思う。
でも、オープニング・ブリッジ・ムービーと題された、物語の冒頭を繋ぐ映像に関しては、 彼女の凄い視点や、印象的なモノローグも綴られていて、その感性の鋭さを強く感じさせられました。
全編を通じて、本当に彼女のその時期の感性の全てを絞り切ったかのような、嘘や紛れるものの無い、純度の高さをヒシヒシと感じられたので、この次にどんな作品を撮られるのかが、とても興味深くなってきましたね。
いつか、2時間くらいのボリュームで、物語もキャラクターも、背景も描き込んだものが観てみたいという気持ちにさせられました。

また、今作の短編のひとつ「M」に出演されていた、イトウハルヒさんも、時々彼女のインスタライブなどを見ていたので、今作での演技を楽しみにしていたのですが、
インスタライブなどでは、わりとホンワカした自然体の雰囲気が楽しいなぁと思っていた彼女も、ある時のライブで「私はやる時はやるんだよ」って話していた、その瞬間の女優の顔が、しっかりと映像で見れたのは良かったですね。
今度、ライブで話す機会があったら、感想を伝えられたらいいなぁ。
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