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永遠が通り過ぎていくのtrollのレビュー・感想・評価

永遠が通り過ぎていく(2022年製作の映画)
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拙い言葉では受け止めてしまった、光と痛みの量を表すのに足りない。血を流しながらでも、大きな鏡を作ろうとしてくれる人に出逢えてとても良かった。

アリアとマリア、Blue throughはどうしても、私の中に鈍く、そして眩しく流れていたものだと考えてしまって、観ている間ずっと、涙や共感を超えて目ではなく、身体で見ているような感覚に襲われた。怖いほどに、身体に馴染んで、今誰が話していて、誰が泣いているのか、言葉よりも早く感覚でわかってしまう自分が居た。

世界には、人間や種族を見るレンズはあっても、私を見るレンズが無い。あまりにも解像度の低いものばかりで、いつの間にか蓋をすることや、どうでもいい美学に落とし込むことでしか進むことができなかったけど、この映画は明らかなほど、私という存在の眩さと、鋭さ、私以外の存在の鋭さと、脆く危うい愛を描いてくれていました。こんな気持ちが見たかった。
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