この映画をみた日、雪が降った。
自身の愚かさに苛立ってしょうがない日だった。野菜スープをつくって、部屋を掃除して、カーテンを開けたら、辺りが真っ白になっていた。
冷たさが透き通っていて、ああ、生きていて良かったって、少し穏やかな気持ちになった。天気に助けられることがあるんだなと思った。
私の住んでいる場所は、星がよく見える。毎晩、夜空にはオリオン座が在って、それをみながら帰宅する。
無数の星達は、心みたいに、何も言わず光っている。
痛みを乗り越えるために、痛みを確認し、人々は、詩を唱えていた。
一等美しくなりたい。
いつか、消せない傷が光るとき、今日みたいに魂が透き通る日が来る。
脆い部分も、強い部分も、言葉がなくても通じあえる日がくる。