よ

スタートアップ!のよのネタバレレビュー・内容・結末

スタートアップ!(2019年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

優しくていい映画だった。

弱い人たちが泥沼にハマってくわけなんだけど、そういうのをしっかり描いて前向きに終わらせるのは個人的にも好き。

ただ、コソクとデギルの話がちゃんと絡んでないように思えるのはいいんだろうか。
一応、尻拭いは自分でやれ、で絡んだ、ということ……?
コソクとデギルが出会ったからこそ、というような話ではなく、単にそれぞれの話が進行してそれぞれの中で決着がついてしまった感じで、なんかちょっともったいないなとは思う。ふたりが出会ったからこそ、ふたりの中に欠けてた気付きとかがあるともっと綺麗だったんじゃないかな。
そういう意味では赤髪の子の話とかも特にあったわけではない。
家族計画的なシナリオで、弱い人たちがひとつの場所に集まってその中で……というシチュエーション自体はいいんだけど、そこからそれぞれの話が絡んで、とかではなく個別に完結してしまったように思う。それが悪いというわけではなくてむしろそういう場とそれぞれの話だけを用意したいのだったらまあ狙い通りなのかもだけど、あんまり綺麗ではない。

実際この話、サンピルとデギルの話だけやってればよくて、コソクの話は飛ばしても成立する。
デギル側の話が良く出来てるから評価は高いけど、コソクはじゃあ暴力装置以外になんのためにいたの、という気もする。

なんというかノベルゲームの1ルートだけ見せられて、それぞれの個別ルートは示唆だけされて終わったみたいな感じがする。

でもまあテギルの話はよかったので◯。
落ちていくサンピルの姿もいたましかったが、最後は戻ってこれてよかった。それにその上司のおじさんが最後にチキン屋をやってたのもよかった。
ヤンキーだったり不良だったり、ドロップアウトして、そのまま悪い世界に取り込まれちゃうのって、やっぱり苦しくて辛いことのほうが多いだろうから抜け出せてよかった。そういう意味ではテギルがずっと、身の丈にあった仕事をしろよ、みたいに言ってたのは正しかったんだろうな。悪いことできる器じゃないだろって。
テギルは別に成長していく要素とかはなくて、素直になれないだけで最初から優しくていい子ではあった。
よ