TAMU

スタートアップ!のTAMUのレビュー・感想・評価

スタートアップ!(2019年製作の映画)
3.9
『TENET』見ても理解できそうにないしな〜、『異端の鳥』はトラウマになっちゃうかも知れないしな〜。
など、それなりに悩んだ挙げ句、かなり食傷気味のコメディ感あふれるマブリー新作を、万が一の面白い可能性にかけて鑑賞。

原題は『始動』。高校を中退した2人の青年テイル(パク・ジョンミン)、サンピル(チョン・ヘイン)がそれぞれの道を進んでいく中で、テイルが町中華の料理人マブリーに出会う。

これがまさかの面白だったw
期待値低いが功を奏するパターン。
不良がマブリーに出会って更生する、と言った通り一遍に収まらないところが良い。

これはテイルとサンピルの成長物語。お金には苦労するも魅力的な仲間に囲まれるテイルと、借金取りとなって金はあるが怪しい世界に深入りしていく2人の行く末は。

我らがマブリーは、本作では無骨でも聖人君主でもない。
人をいじる、小バカにする憎たらしいマブリーは斬新で、いちいちツボに入るw
まだ、この手があったか。
TWICEファンというのも個人的に推せるw

そして、本作はパク・ジョンミン!
正義感は強く喧嘩は弱くの愛おしいテイルの、キャラにビタハマり。
パク・ジョンミンて、演技も上手いし、個性も強いし、次回作も見たいって毎回思う。

サンピル演じるチョン・ヘインは『ユヨルの音楽アルバム』以来、優しい笑顔が印象的。
本作では借金取りとちょいダーク路線で、テイルと対比的に描かれるサンピルの厳しい日常がドラマ全体に緊張感を与える。

ちなみにテイルがマブリーと出会う舞台は群山。‪人口30万ほど、全羅道‬北の中規模都市。行ったことは無いが映画『群山』を見てから、そこはかとなく魅力を感じていたので興味津々。日本家屋等、観光側面の描写は無かったが、結構街中でロケしてるイメージ。
そこまで栄えてなくて、情緒のある感じ。行ってみたい。

オマケ情報としては、自分が見る映画に大体出てる気がする『未生』営業部部長キム・ジョンス先輩。フィルモグラフィー上の一二を争う善人役w

そして、今や登場するだけで痺れるレベルになってる『未生』チョン課長。以降ドラマ、映画に引っ張りだこのパク・ヘジュン先輩。
見るからにヤバそうな反社組織のリーダー。テイルを「坊や」と呼ぶ。ここのところドラマ、映画で観てた誠実感と真逆な、そのルーズな話し方にキュン死w

全体的に荒唐無稽だったり飛躍し過ぎで気になる部分はあるが、主要なキャラクターがそれぞれ成長してスタートアップする。本作が提示する前向きなメッセージは週末の充電にはピッタリ♪

そうだ!初日ということもありシネマート心斎橋は、ほぼ満席。
若い男の子の2人連れが楽しそうに見てて、この客層をこの手の韓国映画で見にしたことが新鮮。新しい風吹いてるか。
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