夜飯

心をつむいでの夜飯のネタバレレビュー・内容・結末

心をつむいで(2018年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ポップなキャラクターだけど仕草や細かい表情で細部を語らなくても位置づけや物語が汲み取れるのすごいと思う。めちゃめちゃ🧶が可愛くて健気で応援したくなる。

男性社会の中に女性が入っていくことの難しさもあるけど、人間と毛玉という構図から世の中でのマイノリティの生きづらさみたいなのも感じた。本当はお互いに歩み寄らなきゃいけないけれど、少数派である方が大多数に合わせないと取り合ってもくれない。号に入っては郷に従え的なことかな〜と思って見たけど、毛玉ちゃんが来た時にそういうことなんだ…と悲しくなった。会社の人がみんな同じ髪型同じスーツでみんな同じことを大切にしてるなら、それに合わせて自分の色は出しちゃダメなんだと察する部分、めちゃめちゃ切ないよ…。
でも自分がそうされて嫌だったことをまた新しく入ってきた子にまで強いるのか?自分のやり方はあっていたのか?ってあそこで踏みとどまれてよかった。1度無視された時の毛玉ちゃんのリアクション的にこの対応は何度もされてきたことなのが伝わってくるので、ここで変えないとこの先ずっと変えられないとも思えたのかな。

大多数側がああいう態度をとるのって少数派のことをよく理解できない、わからないから踏み込めない、小馬鹿にする無視するしか対応の仕方がわからないという気がするので、悪意だけでやってるわけじゃない。両者歩み寄ることが解決に向かうと思うけど、やっぱりきっかけがないと難しいよねって感じ。今作では毛玉ちゃんがそのきっかけになれたってこと。

ラストは自分らしさを大切にすることと集団に合わせることの兼ね合いが上手くいく理想の世界だったね。毛玉2人が場所を作れたからこそ人と毛玉が同じ割合できちんと働ける良い職場ができた。

ショートアニメだけどよく考えさせられる作品だった。
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