QTaka

ドンテンタウンのQTakaのレビュー・感想・評価

ドンテンタウン(2019年製作の映画)
3.8
当たり前の風景(団地)の中で、出会うことの無い二人の、交わらない二人の日常。
二人を結ぶのは、”カセットテープ”?
.
引っ越した先、押し入れから出てきた大量のカセットテープ。
前の住人が日常を吹き込んだカセットテープ。
きせずして、男の日常を知ることになる。
贋作画家の日常とは。
男の正体は。
.
出会ったことの無い男の日常が、目の前に展開される。
話をしたことも無い男の言葉が、語りかけられる。
知らないはずの男が、傍らに居るような生活。
そんな日々の中で男と彼女の交わらない生活が始まる。
「ただいま〜、おかえり〜」「お帰りーー」???
ん?二人の生活なんだろうか?
二人?一人と一人?
.
舞台は、団地の一室。
そして、喫茶店。
幻の生活
幻の男
幻の街?
いや、街はそこに有る。
二人とも、そこで生活している。
.
ラストシーンがとても魅力的だった。
始まりのシーンでもある。
そこは、画廊。
そこで、出会ったのは…
出会うはずの無い二人が顔を合わせる。
でも、この物語では、男は彼女を知らない。
彼女は、男のすべてを男から聞いている。
はたして、この出会いは、いったい…
その時、彼女は…
そして、男は…
この時の男の反応と彼女の表情に注目。
.
出会うことの無い二人。
交わらない二人が過ごす街。
その二人が出会う時…
この展開が魅力。
ラストシーンがクライマックス。
そこにこの物語のすべてが有る。
.
映画全体を通じて流れる音楽がイイ。
様々な楽器が奏でる音楽がふんだんに流れている。
そうやって、音楽に包まれている映画でも有る。
音楽を担当した菅原慎一のボーカルも優しい声でイイ。
QTaka

QTaka