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仔鹿物語のdesperadoiのレビュー・感想・評価

仔鹿物語(1946年製作の映画)
4.0
動物との触れ合いを通じた少年の成長物語とのあらすじから想像するものより、数段はシビアな展開に驚くと同時に感動した。『ヒックとドラゴン』を初めて観た時を思い出す。

けれども何より印象的だったのは主人公の母オリーだ。舞台こそフロリダであるものの、開拓民の一家を中心とした物語なので広義の西部劇と捉えたのだが、他の西部劇と比べて奥行きのあるキャラクター設定・描写だと感じられた。少年と父親は彼女が心を閉ざしてしまった理由に気付いているにもかかわらず、男同士団結しなきゃと無神経な発言をしてしまうのもリアルだ。西部で実際に女性たちがどんな生活を送っていたのか知りたいので、講談社学術文庫には『パイオニア・ウーマン』を是非とも復刊して欲しい。
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