おいなり

ブラックアダムのおいなりのレビュー・感想・評価

ブラックアダム(2022年製作の映画)
3.9
「開幕ナレーションで世界設定の説明が入る映画は地雷」というジンクスが僕の中にあるので心配してたら、想像してたよりクソ面白かった!!!
アンチヒーローでありながら、ヒーローの定義をたった2時間で描き直す。序盤の「なぜ?」が、後半一発でひっくり返る。全体的に軽めのノリが90年代の快作アクション映画って感じで、超良かった!
こういうのが観たかったんだよ!!!が詰まった映画。ほんとDCはここまで来るのにどんだけ回り道してんねんって。
旧体制で作られた作品は、残りシャザム2、アクアマン2、フラッシュくらいでしょうか。本作はそんな時代の終わりのひとつでありつつ、未来のDCの希望を紡ぐはじまりでもある。



過去からきたタイムスリップ系主人公で、無表情に殺しまくるターミネーターでもあり、大体の敵はワンパンマンな大味ヒーロー、しかも演じるのはドウェイン・ジョンソンという圧倒的カリスマ。金曜ロードショーの一ヶ月分をギュッと一本に凝縮したような欲張りさ。
彼がヒーロー演るならもう、ブラックアダムしかないよなぁと、観た後なら全員が思うくらいパワーのあるキャラクターになってましたね。アンチヒーローにしては口が滑らかでギャグセン高めなところも推せる。

これまでDCEUががんばって作ってきた(けどイマイチパッとしなかった)ユニバースのヒーローたちを、文字通りアダムがバチボコに粉々にしまくるシーン、そのあまりの痛快さに笑うしかなかった。こんなんロック様以外にはできんよ。



出てくるヒーローみんなぽっと出の胡散臭い感じ、ジェームズ・ガンのスースクなら最初の10分で全員死体になってそうだなと予告みて思ってたけど、ちゃんとみんな活躍があって最後にはキャラ立ってるのが良かったですね。ジャスティス・リーグの8倍よかった。
アトムスマッシャーくんはこっちのフラッシュと仲良くなれそうだ。

あとカリームがいい。すごい好き。ほんと90年代の映画からそのまま来たんかってくらい気が抜けたキャラクター。
電気以外じゃ死なねぇから!つって特攻しまくるのカッコよすぎるって。電気属性の人すぐそこにいるけど大丈夫そ?



ナノマシンなんだか魔術なんだか、今まで出てこなかった科学的オーパーツがどんどん出てくるの、世界観ブレブレでDCやなぁって感じ。
トニー・スタークもワカンダもないこの世界でどうやってああいう超科学が発展したのか、そういうバックボーンが希薄なとこ今後のDCがユニバーススタイルでやっていく上での課題だと思うけど、ジェームズ・ガンには本当に頑張ってもらいたい。
DCワーナーだから2、3作低調なだけですぐ切り捨てんじゃないかって不安さもあるけど。



めちゃくちゃ斬新な作品というわけではないけど、エンタメの王道!!!って感じでなんの不満もない。しいて言えば本国から公開が遅れたことで、例のやつのネタバレが死ぬほどSNS上に出回ってしまったことがマイナス。DCはぜんぜん日米同時公開やってくれないので、まぁ日本での興収期待値考えるとそんなチカラ入れないよなぁとは思うけど、そのへんもジェームズなんとかしてくれないかなぁ。。。
おいなり

おいなり