わきお

ブラックアダムのわきおのレビュー・感想・評価

ブラックアダム(2022年製作の映画)
3.7
■正義を問うバッドアス

5000年ぶりに目覚めた最強にして最恐の魔術師テス・アダム。目覚めた世界は武装勢力の圧力により、厳しい生活を強いられる市井の人々の姿であった。かつて自身も冷酷な王の手引きにより息子を奪われ、彼が宿した「呪いの力」を受け継いだ過去を持つテス・アダムは、復讐のためその猛烈な力により破壊を尽くす。
そんな彼を危険視する大国アメリカは、鎮圧のためスーパーヒーローチームJSAを派遣する。
というお話

アンチヒーローという言葉がピッタリなブラックアダムの魅力がビンビンです。自身が演じることに強いこだわりを持っていたというロック様のカリスマ性も相まって非常にかっこいいワルに仕上がってます。
シャザム!しなくてもシャザムしているロック様の厚みがホント凄い。憧れます。

また、JSAの登場によりヒーローの飽和、散漫にならないか少し心配していましたが、皆個性があって悪くなかったです。ピアースブロスナン演じるDr.フェイトの渋みが良いアクセントになってます。作中のテーマになっている「正義の意味」を問う意味でも、俯瞰的に立ち回る彼の存在が物語を引き締めていた印象です。あと、サイクロンちゃんが可愛い。

復讐そのものを真っ向から否定せず、その中でテス・アダムが少しずつ考えを変えていく姿がよかったです。ホークマンの正義が市民に受け入れられなかったように、シビアなテーマを首尾一貫貫いたところも真摯に制作に取り組んだ姿勢が伺えます。

アクションシーンに目新しさがあまり無かったのは残念だが、DCEU改めてDCUの再興の足掛かりになることを期待します。
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