このレビューはネタバレを含みます
「私たちの幸せな時間」の監督だったんですね。
日本人キャストがこれだけ出た韓国資本の映画は珍しいんじゃないでしょうか。
説明不要の戦後のヒーロー力道山を描いた伝記映画。
関取時代はぱっぱといってやはりプロレスになってからが濃かった。
レスラー達も武藤や橋本が出てたり迫力ある試合シーンは見事。
ソルギョング氏も身体を作って巨大化してましたが、やっぱりほんまもんのレスラー達よりは細かった。そりゃそうだ。
日本語のセリフも韓国語のくせが混じった感じや角界出身の雰囲気が出てて、さすがでした。韓国語のシーンのリラックスした発語とのギャップを演出に活かしていたと思う。
ストーリーはただのヒーロー譚に終わらせず、境界人として成功のために「日本人」化せざるを得なかったレスラーの悲哀、成り上がった先の挫折が「負けることに慣れていなかった」こと。
複雑な心情が溢れていて、王冠の重みに耐えた者がとっくに内面がカサカサになっていた、、と。
心情描写が厚めで熱演もありで実在の人物を描く上でフィクションを入れすぎかなとも思う。
藤竜也が素晴らしかった。
ソルギョング氏、やっぱブロマンス的にブラザーを惹きたてる会話と演技の抑揚がすごすぎる