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バビロンのますのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.1
映画をよく知り、愛している人ほど特攻が乗る映画。(と思う)

G戦場ヘブンズドアやブルーピリオドのような、物を作りたいという強い欲求によって(良くも悪くも)人生が無茶苦茶に揺れ動く様子を描いた作品が好きな人にも強くおすすめできそうだ…と思ったものの、基本的にこの映画、毎日がドラッグ!セックス!バイオレンス!吐瀉と排泄!というテンションなので安易には勧められない…(しかしあの吐瀉シーンは良かった。死に晒せ上流階級!)

映画産業黎明期の混沌とした状況をコミカルに描くパートもね〜いい。撮影中にサクッと人が死んで「あちゃー」みたいなテンションなのがね。ドイツ人監督のイカレたキャラも大好き。そしてあの軽さ伴う駆け上がりがあるからこそ後半が生きる。

ラ・ラ・ランドもそうだったけど、デイミアン・チャゼル監督は夜を使うのがとても上手いなと思った(音楽を使うのが上手いのは言うまでもない)。
細かいこと言えば後半のトンネルあたりはもうちょい詰められたんでは?と思ってしまったが、としても前半すぐの、享楽的なパーティの果てに見る夜明けのシーンはしばらく胸に残る。あの原風景を胸にしてしまったら、どんなクソッタレな狂乱にだって飛び込んでしまうだろうな。
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