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バビロンのYのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
5.0
2023年マイベストムービー!!!(早っ笑)

最高すぎました。
ラスト15分くらい涙が止まりませんでした。
映画好きの映画好きによる映画好きのための映画。

オマージュや実在の人物が出てくるシーンが散りばめられていて、これまで観てきた映画が多ければ多い人ほど楽しめる作品だと思います。私はたぶん映画中級者くらいだと思うけど、それでもいくつかのオマージュに気づいて大歓喜。みなさんいくつ気づくかな。
個人的にグロリアスワンソンが突如電話越しに現れたのエモすぎた。

なんなのこのシーンは!と怒りそうになるシーンも映画のワンシーンのように色んなエッセンスが凝縮されてて、アクションからカットまで完璧に撮られてる。「私たちの日常が映画だ」というようなメッセージに感じた。

撮影の日の朝それぞれの生活圏から現場に向かう人々の様子、夕方撮影した2つの作品が同時にカットされるシーンは美しすぎて鳥肌が経ちました。人間って素晴らしくない??

サイレントからトーキー映画に時代が移り代わった時多くの映画関係者が業界を去り、犠牲になったあの時代。この史実って色んな映画で描かれているお馴染みのできごとだけど、それをここまで鮮やかに色んな角度から再現するデミアンチャゼルってやっぱり天才。
サイレント時代に、オーケストラやバンドの生演奏の中撮影されていて、音楽っていいなぁと思いながらその映画の世界に慣れ親しんでいたら、実はサイレントの時代だったじゃん!とか
とある色が白く見えちゃう問題の時、そっか色が大事になった時代なのねと思ってたら、実はまだモノクロの時代だったじゃん!とか
その時代時代の映画業界の人たちと同じ気持ちを追体験できるところもこの映画のすごいところ。サイレントからトーキーへの切り替えほんと大変だったよねって観客全員が共通の経験をした気持ちでラストまでいける。仕掛けが頭良すぎるのよデミアンチャゼル。

ゴシップ記者エリノアが言う、
「あなたたちが死んでも映画は残り続ける」というセリフが心に突き刺さる。

デミアン・チャゼルお得意の音楽家への愛も映画への愛と同レベルに溢れていて、音楽家を捉えるカメラワークが優しすぎて大好きだった。

そして安定のブラピとマーゴット・ロビー。
ひと目で主役だとわかる彼ら
なんて豪華なんだろう。夢のような時間。

たくさん書きたいことがあるけど、全部ネタバレになってしまうからここまでにします。
色々検証したいシーンがあるのでもう一度観に行こうと思う。

でも正直おすすめできる人が限られるかも。
観た人の色んな意見が聞きたいです。

ちなみに多くの人が言っている下品なシーンは確かに多いし、多少気になるけど笑
そのハードルを超える良い映画だと私は感じた。
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