パルパティーン

バビロンのパルパティーンのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.2
2月の映画でこの映画が気になっている人がたくさんいるのではないかな。自分もその1人である。IMAXで鑑賞してきた。画面が大きいので主役以外の人たちがめいいっぱい映っていた。この映画は好き嫌いがはっきりと分かれる作品かなと思っている。

オープニングからもう持って行かれた。下品極まりなくてもうクスッと笑ってしまうところがたくさんあった。これでブーストをかけてそのまま3時間見てもらうという感じかなと思う。

マニーとネリーが夢を語り合うところで、「長く続く大きなものの一部でありたい」このセリフにはおーってなった。映画業界で働きたいと思っている自分にとってはいいこと言うなーと感銘を受けた。最後の方でマニーが映画館で映画を見ているシーンでは、初期に言っていた「大きなものの一部でありたい」この言葉が達成されたシーンでもある。

映画のセットのところのシーンが個人的には1番好きかな。あの忙しくてわちゃわちゃしている感じが好き。撮影環境も当時はあまりよくなかったし、トーキ映画に転換して初期なので何もわかってない状況でやっているのでぶつかるのは当たり前。人がチョクチョク死ぬが、あまり気にしていないようにも見える。

一世を風靡した俳優や女優は薬やお酒に頼るのがやはり普通なのか。見ていてだんだんネリーやジャックがかわいそうに見えてきてしまった。ネリーはあそこまで変わらなかったら、まともな人生を送っていたかもしれない。ジャックも自分が廃れていっていることを受け入れられず、もう疲れたと言っている。
そこで、ゴシップ誌の人の言葉も響いてくる。時代は変わっていき、廃れていく人も当然いる。演じているあなたを誰かが見てくれる。そこではあなたは生きている。実際に死んでいたとしてもその中では生きていると。こんな感じのニュアンスのことを言っていたと思う。彼女の言葉は自分にも刺さった。ジャックとネリーの魂は映画の礎となり、映画として生き続ける。ラストシーンは映画の明るい未来を照らす前向きなものであると感じた。

マニーとネリー2人が映画が好きな理由を語っていたシーンでも自分が納得するようなセリフがあった。映画はリアル(現実)ではないのでその中で死のうが実際には死んでいない。現実から逃げることができる1つの道具であると。自分に置き換えて考えてみたら、自分も現実から逃げるために映画を見ているのかなと思った。映画を見ている時間は幸せで楽しいし、現実逃避をしていると言ってもいい。でも現実から逃げる(映画を見る)がないと自分はしんどいと思う。それくらい身近になくてはならないものになっている。映画を通じてたくさんの人にも出会っているので、これからもいろんな人と出会っていきたい。


2023年14本目