カタクチイワシ映画レビュー

バビロンのカタクチイワシ映画レビューのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.8
1920年代ハリウッド黄金時代。この時代のハリウッドは神々の時代そのものだったと聞きます。映画が娯楽の中心であり、映画スターの在り方が現在とは比べ物にならない、全く手の届かない所に在る星の様な存在、正しくスターだったと。

今やその時代のことはこういった映画や書籍などからしか窺い知ることができませんが、サイレントからトーキーに移り変わり、一つの時代が終わったことを知るブラピのシーンはとても切ない気持ちになりました。更に映画はモノクロからカラーになり、現在ではCG技術の進歩がいつか俳優の座そのものを奪い兼ねません。ちょっと哀しいですね。

デイミアン・チャゼル監督は一貫した作家性を持ってるしそれぞれの題材にいつも深い愛情を感じますが、今作は好き嫌い分かれそう。でもブラピとマーゴット・ロビーの演技は凄いし、劇中掛かるジャズは超カッコイイです。

万人にオススメできる映画ではないと思いますが、神々の威光と没落の時代を体験できる快作です。事前に『ラ・ラ・ランド』を観ておくと尚お得ですよ!