デイミアン・チャゼル監督の最新作。
私は『ラ・ラ・ランド』が映画の中でもトップクラスに入るくらいめちゃくちゃ大好きなんですが、『セッション』は周りの評価ほど私に刺さらなかったので、期待しすぎないように観に行きました。
豪華絢爛なパーティーが毎晩開かれ、無法地帯と化していた100年前のハリウッド。
だだっ広い土地に高い晴天率を誇るハリウッドが映画の都になったというのは知っていましたが、こんなにも華やかでカオスだったとは…。
毎晩のようにパーティーを開き、セックスやドラッグをやりたい放題している様を見て、これぞ酒池肉林だと思いました。それだけ勢いのある時代で、成功することを夢見てやってくる若者が多くいたんですね。
また、無声映画からトーキーに移り変わる転換期、夢を抱く若者たちの栄枯盛衰にいろんな感情がせめぎ合いました。
昨年公開した『ダウントン・アビー/新たなる時代へ』でも無声映画からトーキーに移り変わる頃を舞台に、時代の波に翻弄される役者の苦悩が描かれていたので、ビジュアルと声のアンマッチが俳優生命を脅かしていたという事実はすんなり理解できました。
時代の波についていけずに勢いを失う人もいれば、逆に歌唱力や演奏の腕を買われてスターになっていく人間もいるという、時代に翻弄される人々の人生を垣間見ることができて、とても見応えがありました。
ただ、煌びやかな世界とは対象的に敢えて汚いシーンも描かれているのでちょっと抵抗があったのと、冗長だと感じるところがありました。
特に、ネリーがトーキーに初挑戦するあの件は長すぎるなと感じました。こっちまでイライラしてしまいました(もしかすると計算の上でのことかもしれませんが…)。
それと、ノスタルジーに浸るのは良いけど、詰め込みすぎに感じてしまったラストシーンも、単体で見ると良いシーンになっていると感じただけになんだか残念に感じてしまいました。
それでも、自由奔放なネリーを魅力的に演じ切ったマーゴット・ロビーの役者魂に拍手👏
汚いシーンがあっても持ち前の演技力で自分のものにしてしまうところはさすがの一言でした。
トビー・マグワイアの不気味な怪演っぷりが頭から離れません😂
ジャスティン・ハーウィッツによる音楽も良かったです。『ラ・ラ・ランド』の曲に似たものもあり、やっぱり通じるものがあると感じました。
賛否両論あるかと思いますが、映画好きの方に観に行ってもらいたい映画です。