なんだかよくわからないがすごいものを見てしまった、これに尽きる映画だと思う。
冒頭のパーティーシーンは破茶滅茶で、汚物に始まりセックス、ドラッグに暴力と、とにかく下品を煮詰めたように、悪趣味。しかし、映画業界のギラギラとした、低俗だろうがなんだろうが目が離せない魅力を感じた。
また、本作でも監督お得意の音楽に焦点が当たっていた。
冒頭のパーティーシーンでの爆音のジャズ、サイレントからトーキーに変わっていく時代には必要不可欠の要素としての音楽、雨に唄えば等々、本作は音楽と切っても切り離せない。
それにもかかわらず、場面転換のために急に音楽が止まって次の場面に移るので気持ちの良いところまで聴かせてくれない、本作の作中曲には不協和音が混ざっている。この、不協和音の美学とでもいえるような、不安を煽るような、不安定な音楽遣いもまた、バビロンの終わりを迎える本作の魅力に感じた。