アンソニー

バビロンのアンソニーのネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

映画って素晴らしいなって
思わせてくれる映画でした。

無声映画からトーキー映画に変化していく
激動の時代で映画に関わっていた
様々な人たちの繁栄と衰退。
それが3時間程で味わえるんだから
映画って素晴らしいですよね。

冒頭からぶっ飛んだシーンの連発。
マジで最高です。
このシーンだけでも観て欲しい。
事実、当時のハリウッドは
映画の内容での過激な性表現よりも
映画界そのもののスキャンダルなどが
問題視されていたらしい。
1921年にもホテルの部屋をいくつも
貸し切って3日間におよぶ
酒池肉林のパーティーが開かれて
死人も出たりしていた。
(当人の内臓疾患のせいらしいけど)
あれ程派手だったのかまでは
私には分かりませんが
完全なフィクションでは無いというのは
確かです。

それから、トーキー映画に移り変わり
ヘイズコードだったり自主規制だったり
役者の言葉使いだったりと
求められるものが変わっていく中で
その変化についていけない者たち。
徐々に破滅へと向かっていく。
いいですね。
「人の人生が潰れていく様は最高のエンタメ」だって誰かが言ってました。
悲惨な人生を辿った様に思えますが
作品として永遠の輝きを手にした彼らは
50年後、誰かの友達として蘇る事でしょう。

「雨に唄えば」の
あの変な声を出してしまう無声映画時代の
スター女優を観て涙するっての
めっちゃいいですね。
ヒロインに声を当てさせていて
自分ばかり甘い蜜を吸っている
嫌なヤツなんですけど
「バビロン」のフィルターを
通した途端に悲しく思えました。

無声映画、初期のトーキー映画を
観るのがまた楽しくなりますね。
興味が出た方は是非観てください。
1926年だったら「メトロポリス」
オススメです。