チャゼルさん、すごいことしちゃったね。
この世に映画が生まれて、ここまでのまとめを作っちゃった。
糞尿ゲロまみれの狂騒。
サイレント時代の映画づくり。
エフェクト技術なんてない当時の撮影。
ドタバタなんだけど、映画を作る熱意は皆同じ。
そんな映画作りの夢を笑いを交えて演出した前半。
テンポもよく、最高の出来栄えだった。
後半はトーンが暗転する。
サイレントからトーキーに移り変わる時代。
時代の波に乗る光が誕生する一方で、取り残され輝きを失っていく光もまた。
映画の作り方も変われば、観客の求めるものも変わる。これは必然だ。
僕らの生きているこの時代だって、製作は特殊効果からCGへ、フォーマットだって2Dから3Dへ、劇場も音響やスクリーンの大きさだけでなく、4DXやScreenXまで、新しいものがどんどん生まれていく。
それに合わせて映画そのものの作りも変わるのは当然で、観客である僕らもまた求め方が変わる。
そんな求めるものに応えられない者は淘汰されていく。。
しかし、産み出された作品は生き続ける。
決して色褪せたりしない。
中学生の僕が、小さな町の映画館でポップコーンとコーラを買って、ワクワクしながら前方の席を走って取りに行ったあの頃の作品は、今も輝き続けている。
そんな変わりゆくものと変わらないものを一本の映画にまとめてしまうのだから、たいしたものだ。
3時間の長さは全く感じなかった。
素晴らしかった前半に比べると後半は、広げすぎた部分もあって散漫さが見えてしまったのが惜しい。
でも、デイミアン・チャゼルがやろうとしたこと、作り上げたこの"映画のまとめ"に拍手を贈りたい。
🐘💩
映画は人生。