Yui

バビロンのYuiのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
4.2
ああなれたらという気持ちと、ああはなりたくないという気持ちが観ていてせめぎ合った。ハリウッドの光と闇がギラギラと強烈に描かれていて劇薬を浴びたような唯一無二の感覚…。

まず言いたいのはサントラの素晴らしさ。ディミアンチャゼルは本当にジャズを愛する人なんだな。彼の期待に毎回答えるジャスティンハーウィッツの音楽は文句無しに最高!チャゼル監督の豪華な映像表現とハーウィッツのサントラの融合は絶対に映画館で楽しむべき!もうこれは完全に映画館で観るべき映画。
ちょいちょい「ラ・ラ・ランド」の時に使われていたメロディラインやリズム、調まで全く同じ曲もあって、そういう発見も楽しかった。

音楽を効果的に使っているからこそ動→静になるシーンがとても印象的で、動(音楽があるシーン)でワクワクと観る者の気分を高揚させておいて、静(音楽が止むシーン)で更に一気に惹き付けられるのが良かった。音楽と映像の融合とはこういう事だなと感じるシーンが多い。

キャラクターは痛々しくて見てられないような事をしても結局魅力を感じてしまうような人ばかりだった。穢いのにみんながあんなに美しかったのはこの美しさが刹那的だからなのかな。
最初のハチャメチャパーティーでド派手に踊り狂うネリーはもちろん最高だったけど、「人生は最高」と言って闇夜に消えていくネリーが1番美しかった。
今作1番の推しキャラはトランペッターのシドニーなんだけど、吹き真似してるとは思えないジョヴァンアデポの演技力!本当にトランペットが吹ける人なんだと思ってた…。すごすぎる。

映画は最高なんだよ!!という熱いチャゼル監督からのメッセージを圧巻の映像と音楽で全身に叩き込まれた。あと「雨に唄えば」まさか観てないわけないよなぁ!?というメッセージも感じた。笑
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