新月

バビロンの新月のネタバレレビュー・内容・結末

バビロン(2021年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

最高の映画を観た!映画全体のクレイジーで過激な演出が、その内側にある純粋な夢、希望、憧れみたいなものを引き立たせていたと思う。
監督の映画に対する愛情も強く感じた。感情が揺さぶられすぎて、かなり疲れたけど!!!

主人公が言ってた「長く続く何か大きなものの一部になりたい」というのも、最初はなんだか抽象的だなあなんて思ったけれど、映画ってそういうものなんだなあ。
私には決して見ることのできない、サイレント映画からトーキー映画へと時代が変わる瞬間、それをその時代のスターたちの視点で見れたことに幸せを感じる。楽しかった。

クレイジーでめちゃくちゃな演出ばっかりで、本当に気持ち悪かった!笑ゾウを見たらしばらく思い出してしまうな‪(´ཫ`)‬
でも本質はそこじゃない。最後まで繰り返し映し出されたのは、マニーとネリーが夢を語り合うシーン、ネリーが映画で涙を流すシーン、そしてマニーとネリーがキスをするシーンだったり……奥底にぽつんと光る「純粋さ」「希望」「憧れ」のようなものが、バビロンを見た後に残ったものだった。

ラ・ラ・ランドの冒頭シーンのような、群衆の中をカメラが流れるように動く演出が今回は本当に多くて迫力も凄かった。それに音楽も素晴らしくて。映画館で見てよかったと思う。

ギャングと地下に入るときは映画館から逃げ出したくなるくらい怖かった。

人物一人一人を丁寧に描いているから、3時間になるよなあ…という感じ。監督のやりたいことをやっている感じはするけれど、置いてけぼりだとは思わなかった。

ゴシップのエリノアが言っていた、「スターは永遠に映画の中に残り、それがどれだけ幸せなことか。映画を見る人は、登場人物を時に友人のように感じる。自分が生まれる前に亡くなっていても。」これがバビロンという映画の答えだと感じた。

エンドロールに入った瞬間に、こんなにも拍手したくなったのは初めて。
新月

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