うどん

バビロンのうどんのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.4
デイミアン・チャゼル監督ということで、鑑賞!

映画愛にあふれているのに、「お下品」が何よりも思い出されちゃう……。

タイムラインで、「汚い」という言葉をよく見たので覚悟していたものの、冒頭でいきなり象の"アレ"からの、乱れまくりパーティーの描写に、どっと疲れた。今作を最後まで見切れるか、かなり不安になったが、映画作りの現場のシーン、ネリー・ラロイの初映画における活躍っぷりから一気に面白く感じた。

最初のパーティーで出会った男女、それぞれの栄光と転落。栄光は一瞬で、転落はあれよあれよと下に下に落ちていく。終盤のナゾの暗闇でのパーティー?見せ物?には辟易してしまった。ネリーのどうしようもなさにもイマイチのれなかったので、低めの点数。

ただ!印象的なシーン、言葉も多かった!無声映画時代のブラピ主演作の製作シーンが、たくさんのエキストラを使ったカオスな現場、映画作りへの情熱、俳優たちの演技の魅せどころなど、目まぐるしくて楽しかった。中盤の「雨に唄えば」を思わせるような、トーキー映画への挑戦と再起をかけた演出も好きだった。そして、雑誌編集者の女性の語る言葉「あなたの時代は終わった。でも、あなたが死んだ後に生まれた世代の人は、スクリーンに映るあなたを友人のように感じられる。あなたは甦ることができる。」といった話もとても印象的。
黒人のジャズ奏者、中国系女性のレディ・フェイも魅力的なキャラだったけど、時代の移り変わりと共に2人の人生が変わる様、特にジャズ奏者への周囲の扱い、レディ・フェイの選んだ新天地に何とも複雑な気持ちになった。

総じて、監督の映画愛を感じられる作品ではあるけど、ラストのいろんな映画のシーンの頃には、知ってる作品ばかりなのに興奮できずにぐったり疲れて、ようやく終わった…としか思えなかった。後々、少しずつ、ジワジワと感じるものはあるのに、乱れシーンの印象が強すぎたのが、個人的には残念な気持ち…。
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