kazマックスグローバーレッド

バビロンのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.7
『セッション』『ラ・ラ・ランド』『ファースト・マン』とデイミアン・チャゼル監督作品はどれも苦手で肌に合わなかったから『バビロン』も敬遠してたんです、3時間もあるしね。しかしいざ蓋を開けてみるとめちゃくちゃ面白いじゃないですか。映画がサイレントからトーキーへの移行期を舞台にした群像劇という題材がよかったのかね。観ていてちょっと『ブギーナイツ』を思い出した。

オープニングタイトルが出るまで30分に及ぶ酒池肉林乱痴気宴。いきなり像の肛門ドアップからの脱糞シーンは日本映画『孤狼の血』で豚の肛門ドアップからの脱糞オープニングを経験済みだし、聖水ブシャーは『イルザ ナチ女収容所 悪魔の生体実験』やアレハンドロ・ホドロフスキー監督『リアリティのダンス』でもやってるんでそれらの描写は抵抗なく見れた。
映画にヘイズ・コードが制定される以前のハリウッドはセックス&ドラッグ三昧がかなり酷かったと聞くけれどもその陰モラル描写を冒頭30分で見事に再現。

ガラガラヘビで根性試しするマーゴット・ロビーやトビー・マグワイアが案内するネズミを食いちぎるゴリマッチョが出てくるダンジョンツアーなんか観ていてゾクゾクした。映画史のダイジェストもめっちゃ良かったな。映画愛に溢れたお下劣ニュー・シネマ・パラダイスでした。