こーたろー

バビロンのこーたろーのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
5.0
映画館で見なかったことを本当に後悔した。チャゼルはセッション、ララランドと二つとも好きな作品だったんだけど、ファーストマンが個人的に全く刺さらなくて本作も賛否両論だったから映画館で見ない選択をしてしまった(言い訳)。結果的にめちゃくちゃ自分が好きな作品で本当に魂を揺さぶられる最高の映画だった。

自分は映画をテーマにした映画が好きだ(ニューシネマパラダイスを除いて)。近年だとエンパイアオブライトが個人的に好きだったが、本作はそれを超えてきた。
サイレントからトーキーに移り変わる時代、その時代の流れによって滅びゆく役者たち。特にブラピの役がカッコ良すぎた。自身はもう忘れ去られる存在だと悟っていながらもそれを受け入れらないといった複雑なキャラクターで、最期に至るきっかけにもなった批評家の言葉がとても良い。映画に出演した役者は何百年も観客の中で生き続ける的なセリフ、あれがブラピのトドメの一言になったのはあの言葉を聞いて自分の役目がもう終わったことを悟り、安心したからなのだと感じた。

ラストも自分のこれまでの映画体験と重なって熱い興奮する気持ちで感情的になって涙が出そうになった。本当に素晴らしい作品。チャゼルの次回は映画館で見る。