ゆりな

バビロンのゆりなのレビュー・感想・評価

バビロン(2021年製作の映画)
3.8
栄華と衰退の国の「ラ・ラ・ランド」。
ずーっとバチバチの閃光の中にいたような感覚。

映画好きな監督が、明るいだけじゃない、闇や影の部分も描いた大作。
これはフィクションでも、本当にネリーやジャック、マニーみたいな人々がいたんだよね。

常にどこか緊張感があった。
このマーゴット・ロビーにアカデミー賞あげたい。後半の往来のスターを演じたブラピの悲壮感も最高。

序盤のパーティーシーンはバズ・ラーマンの「ギャツビー」みがあるけれど、肉々しいところが違うんだよね。まさに最初からハンムラビ王がいた時代のバビロンを連想させた。

1920年代って芸術やファッション、カルチャー的に私が好きな時代なのだけど、このあと段々トーキー映画に以降していくのは、チャップリン好きとしては切ない気持ちもあるんだよね。

これを観た前日、Twitterで話題になっていた「100日後に輝く地雷系」が完結したのだけど、本作しかり全て命あってこそなんだよ。
主人公の感情だけ読み取れないが、ネリーもジャックも根が悪いわけじゃない。
ただ「スターであり続けたかった」だけ。それゆえに憎めないのだ。

ギャングのボスの地下のシーンだけ急に「エレファントマン」や「ナイトメア・アリー」の世界だったな。

小さな街でも楽しそうにトランペットを吹くシドニーを見て、栄光に囚われず自分のポリシーや好きを大事にした人が報われて良かったなと。

3時間の長尺を観終えて。自分含め、邦画よりも古い時代含めた洋画が好きなこ人こそ辛くて刺さる作品だったなと思った。そうじゃない?
ゆりな

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