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ブラックバード 家族が家族であるうちにのlaszloのレビュー・感想・評価

3.0
2019年 アメリカ イギリス
監督 ロジャーミッシェル
脚本 クリスチャントープ

不死の病にかかり治る見込みがない女性 QOL(quarity of life)が低下する前に自らの命を絶つことを心に決めています

死ぬ前に家族と親友が集まって最後の夜はちょっと早めのクリスマスパーティーをします
中々集まることが出来なかった人たちが一堂に会して今まで話せなかったことも話されます
その中で娘たちが急に安楽死に反対したりもします
そして最後は?

“世界一キライなあなたに“を観た直後にWOWOW録画の番宣を見て
同じテーマを扱うこの映画を観ようと思いました

“世界一〜“は法律で許された国で正式な施設を利用しての安楽死ですが本作はアメリカの許されていない州で医師である夫の処方で服薬します
尊敬を守ったまま安楽死することは選択肢の一つとしてあって良いと思いますが合法な場所で合法な施設を通さないと本作の娘たちが懸念したようなことは起こり得るでしょう

延命治療にこだわる日本では法整備どころか話題にすることさえ難しいかも知れません
人それぞれ事情はあるでしょうがそろそろ日本も高齢者の延命よりも未来ある若い人たちの治療に医療資源を使うべきではないでしょうか
死というものに対する考え方を基本から変えるべき時期が来ているのかもしれません

例えば子供の心臓移植手術が必要な時にドナーが中々現れない日本人は億単位の費用を掛けてドナーを見つけ易いアメリカに行きます
本来なら日本人の子供を救う臓器は日本人が提供すべきでしょう
2010年の臓器移植法の改正によって法的ハードルは下がりましたがまだまだ心理的ハードルは高いようです

考えたくないことですが
自分の親が安楽死を選択したときや自分の子供に脳死判定が下されたとき
あなたならどうするでしょうか?

なんとなく観た“世界一〜“から始まった2本の映画ですが色々なことを考えさせられました

是非ご覧になってみてください
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