風来坊

Uボート:235 潜水艦強奪作戦の風来坊のレビュー・感想・評価

3.0
第2時世界大戦中のベルギー。自軍からも戦犯として追われるはみ出し者達の兵団が、実行不可能とベルギー軍が匙を投げた過酷な作戦に挑む戦争アクション。

ベルギーの人気俳優達が勢揃いだそうで、本国ベルギーでは大ヒットを記録した映画。タイトルから史実を基にしたシリアスな戦争映画を想像する方もいると思いますが、これは荒唐無稽な娯楽に徹した戦争アクションですね。
雰囲気としてはベルギー版の特効野郎Aチームみたいな印象。

この手のはみ出し者チームの活躍を描いたお話では、そのチームの登場人物の魅力に全てが掛かってくると思う。この映画でも魅力的なキャラクターがいて物語を盛り上げるが、リーダーのスタンがサイコ過ぎて引く…もちろんそのサイコには理由があるのですが…。

冒頭のシーンは驚きましたね…そういう作戦とは、首ヤバいんじゃない(笑)
前述したように娯楽要素が強い作品ですが、玉砕覚悟の片道切符的な作戦で展開は重い。ウランの事や作戦の内容をあまり理解していない主人公達が気の毒に感じてしまいます。そしてやっぱりナチスの仕打ちは外道の極み。

潜水艦映画ではあるあるの艦内で音をたてるなとか魚雷発射に四苦八苦とかツボは抑えている感じ。魚雷ドーンはスッゴい痛そうで衝撃!挙げ句の果てにあんな事になって絶句…。

潜水艦映画なので仕方ない事なのですが、画面が暗いシーンが多く場面によっては見難いです…。娯楽に振りたいのかシリアスに振りたいのかどっち付かずで中途半端な印象。
結局、作戦の顛末がどうなってラストに繋がったのかの説明がなく打ち切りエンドみたいで納得がいかない。

それでもまあいい具合にオチがついたかと思いきや…日本人としては衝撃的な後日談で何とも言えないものが胸に残る…。成功しない方がいい作戦だったのかどうなのか…。そういう意味ではインパクトがあるオチでしたね。

爽快感はなく微妙な潜水艦映画ではありますが、所々のエピソードはハラハラしますし、まあまあ楽しめた作品でした。

まとめの一言
「日本人には衝撃のラスト」
風来坊

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