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デルフィーヌとキャロル
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『デルフィーヌとキャロル』に投稿された感想・評価

菩薩

菩薩の感想・評価

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デルフィーヌ・セイリグのフェミニストたる一面。「知的」と評される事を嫌う彼女であるが、自身の言葉を持ち自身の意思を貫き自身の為に戦い自身の未来像を築き上げていく様は非常に理知的に思える。劇中に343人のマニフェストが出て来てくる、実際に吸引方での中絶シーンもある、日本はまだここにすら辿り着いていない。ちょっと『赤い唇』の解釈も変わった。さらっとジャン・ジュネの名前が出て来てビビる、しかもその一言がなんともジュネらしい。
アラン・レネの『去年マリンバードで』をはじめ、トリュフォーやブニュエル, デュラス, アケルマン等、錚々たる監督の作品に出演したフランスの女優デルフィーヌ・セリッグと、フランスで2番目にビデオカメラを手に入れた人物(一人目はゴダール)で後にフランスにおけるビデオアートのパイオニア的存在となったキャロル・ルッソプロスの出会いと二人のフェミニズム運動を記録したドキュメンタリー。

これは森元首相をはじめとする、日本の残念な男尊女卑脳を持ったオッサン連中には全員強制で観させるべき作品だと思います。

作中でキャロルは、「ビデオカメラは、今まで専門家や組合の代表(それらは皆男性)しか発言する場が与えられなかったところに、当事者の意見(女性など当時、社会的弱者とされていた人達)を伝える機会を与えてくれた」と言っていました。
その言葉だけで、当時の女性の意見がどれだけ男性や社会から軽視されていたのかが想像できます。
(このビデオカメラはソニー製でした。この時代は日本のメーカーも革新的な製品を世に送り出せていたのに)

「シェフがお金を稼ぐ為に作る料理には相応の価値があって、主婦が毎日作る料理には価値なんて全くなくただ作ってるだけ」みたいな酷い発言をするコメンテーターが出てきましたが、今ではそういうことを信じられないと思える社会になったのは、デルフィーヌやキャロルのようにフェミニズム運動に取り組んできた人達のおかげであり、彼女たちの確固たる功績でもあります。

若き日のアケルマンと貫禄たっぷりデュラスが並んでインタビューに答えてるシーンは、何気に凄い画だなと思いました。
音楽で例えると何でしょうか。
Snail Mailとキム・ゴードンが並んでても、アケルマンとデュラスの1/10くらいのインパクトしか出せないんじゃないかと思います。
para

paraの感想・評価

4.0
デルフィーヌ・セイリグとキャロル・ロッソプロスがキャロルの開いたワークショップで出会い、1970年頃の中絶の合法化などの女性解放運動に積極的に関わり、映像作品を制作するに至ったドキュメンタリー。

上映後に今回の企画協力者でもあるジャン=マルク・ラランヌ氏による1時間半の講義付き。
セイリグの出演した作品やセイリグが制作した作品の抜粋映像を交えながら、
彼女の生い立ち(上流階級出身、父親が外交官のため様々な国で育ち、アメリカ生活も長く、戦争を逃れてアメリカに来た芸術家達との交流)から、彼女の作品や女性解放運動に力を入れていく流れなど、彼女の作品に対する姿勢を知ることができ有意義でした。

男性から見た女性像ではなく、女性が自分らしく生きる権利など自身の考えをはっきりと主張し闘い続けたところ、男性映画関係者からは距離を置かれ、イブ・モンタンは共演NGを出したそうだ。
そしてようやく彼女に時代が追いついたのか、今彼女が注目されていると言う。

『夜霧の恋人たち』でのセイリグによる長ゼリフ(アントワーヌの部屋)はセイリグ自身によるセリフとのことで、そのセリフには信奉するシモーヌ・ド・ボーヴォワールの影響が色濃く出ているという。

ボーヴォワール、マルグリット・デュラス、アケルマンたちと、あるいは単独でテレビの討論番組に多く出演されていた映像も見る事が出来た。

ラランヌ氏による女優の比較として、
カトリーヌ・ドゥヌーブは多くの出演作品で劇中に死ぬことは数本しかない一方で(観客がそれを求めていない)
セイリグやイザベル・ユペールは死ぬ役が多い。(監督たちがそれを求める)

纏まらないため後日修正します。

勇気と気骨の女性、デルフィーヌ・セイリグ特集。

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