キャプテンプリン

エンジェル ウォーズ エクステンデット カットのキャプテンプリンのネタバレレビュー・内容・結末

4.1

このレビューはネタバレを含みます

精神病院、売春宿、そして戦場という三層構造で進んでいくストーリー。
ロボトミー手術を行う精神外科医を待つ5日間、ベイビードールを″主役″として物語は展開されるが、売春宿も戦場も彼女の妄想でしかない。

インセプション的な構造であるが、最大の違いはベイビードール自身が「現実世界を拒絶」しているということ。彼女は妄想を見るが、それは現実からの逃避で、その結果として、現実と妄想(精神病院と売春宿)が入れ替わり、精神病院での出来事は劇場での演目となる。

(聞き上手な)主治医によるカウンセリングはレッスンであり、彼女は厳しいが、最後までベイビードールたちを守る立ち位置に徹する。

そして問題のブルー。最後のネタバラシからも分かるように、ベイビードールが″ダンス″を踊るのは、看護師による暴行を表現したものであり、それが描写されない(できない)のは、つまりそういうこと。

彼女のダンスはブルーや他の看護師、ときにはコックを魅了するが、彼女が甘んじて暴行を受けていたときの心情(相手はモンスター)、そして屈辱的であろう行為が目的のための″手段″であると自身を暗示するために、冒険の世界へトリップをする。

ロボトミー手術を終えたベイビードールに対して「抵抗しろ」と期待外れそうだったのは、何が行われていたのか予想できる。

終盤、現実であるはずの精神病院でも、コックのナイフがなかったり、火事の跡があったり、ブルー看護師が怪我をしていたりと、ベイビードール(とスイートピー)は病院でも相当な大暴れをしたのかも。

最後のアイテムはベイビードール自身であり、つまりそれは彼女がロボトミー手術を受けるその瞬間にこそ、スイートピーが逃げ出すチャンスが巡り来るということのように見える。

スイートピーを含めた終盤の病院での出来事も全て、妄想なのかも?