だいぶ前にエクステンデッド版と劇場版の2枚組Blu-rayを買ってたのに忘れてた。こちらの函体は本国版ポスターのイラストデザインが素敵。
劇場版も2時間半近くあり初めて観たときは度肝を抜かれて全く長さを感じなかった。こちらは3時間弱でさすがに長いんだけど、3部構成で騙し騙されの見え方がどんどん変わっていく。リドリー・スコット『最後の決闘裁判』の100倍面白い。特にキム・ミニとキム・テリが強いつながりをもっていかに男たちを謀り脱出していったかが、劇場版よりさらに伝わってくると思う。
二人が書庫へ入り、古今東西の春本や猥本を初めて目にしたキム・テリが驚き怒り狂って本を破り池に投げ込み、キム・ミニはその行為を頼もしそうに見つめ最後には共にインクを本へぶちまける。このシーンがすごく好きなんだけど、抑圧され名状し難かった怒りを代わりに露わにする行為の意味が、追加されたシーンによって強化されてると思う。
またいずれのバージョンも、チョ・ジヌンがハ・ジョンウの裏切りによって残虐な行為を行っているにもかかわらず、滑稽さみじめさを湛えた一種の共感関係となっていく様子がなんともおかしく物語の妙味を増していて好き。
折檻の道具であり猥本のモチーフにもあった鈴を使うポルノグラフィックなラストは最初観たときうーんと思ったけど、トラウマ化せずに易々と美しく呑み込んでいくようで未来があると思うようになった。
