ハマジン

追跡のハマジンのレビュー・感想・評価

追跡(1947年製作の映画)
3.5
ロバート・ミッチャム演じる男ジェブの家族をめぐる陰惨な過去の影が、彼を執拗に追いかけ命を狙い、育ての家族共々愛憎の不幸に陥れてゆくノワール西部劇。
窓の外に投げ捨てられたり、賭けの元手に放り出されたりするその度に、必ずミッチャムの手元に戻ってくるコイン(運命の分岐点となる小道具)の不気味さがイイ。
歌いながら乗馬するジェブの後をつけ狙う馬の影が、画面上部の崖の上を並走するショットなど、ジェイムズ・ウォン・ハウの撮影が冴えわたっている。クライマックスの実家からの逃走では、画面の緊張感に加え、犬、ニワトリ、馬などの「動物の鳴き声」が、暗がりのサスペンスをさらに効果的に盛り上げる。
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