この映画のポイントは「家族の形はそれぞれ。色々あるけど、その都度一緒に成長していきたいと思える作品」です。
２歳半の女の子が、１２歳の少女になるまでを描いているわけなのですが、いつだって、「どうしてこんなことになってしまったんだろう」って。思わずにいられないんですよ。仕事だって、子育てだって、奥さんがいればって。だけど、クヨクヨしている時間はない。子供はどんどん成長していくし、子育てに待ったは無し！立ち止まりたい瞬間もあるけれど、這いつくばって、なんとか、日々をやっていく。
彼らには、悲しい出来事があったけど、不幸なのか？と聞かれると、絶対にそうではないんですよ。寄り添いあって、大変なことを共有しあえる家族がいるからです。
健一自身も、前をむいて、生きていこうとするし、幼いながらに、ミキもそれを感じている。
そして、亡くなった奥さんの両親が本当に素敵で、まるで本当の親子のように、協力してくれるし、時には厳しく接してくれる。そして、常に見守ってくれる。
みんな、優しいんですよね。表面上の優しさではなく、家族だから生まれる優しさを最初から、最後、ラストのラストまで、感じることができて、ド頭から、エンドロールまで、絶えず泣いていました。
父親役を、山田孝之さんが演じているんだけど、勇者ヨシヒコじゃない、全裸監督じゃない、普通の山田孝之も、すごくよかったです。
10年という月日を演じるんですが、本当に少しずつ、年を重ねて、貫禄が出るんですよ。
そして、最初は頼りないお父さんだったのに、どんどん、お父さんらしくなっていく。
子供だけじゃないんですよ。成長しているのは。
だから、家族みんなで成長していけたらいいんだなぁと感じる映画なのでした。
