みてべいびー

EMMA エマのみてべいびーのネタバレレビュー・内容・結末

EMMA エマ(2020年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

Trailerがめっちゃ良さげで楽しみだった作品。Emmaは小説もPaltrow版も未見で、なぜかBBCでもあんまりドラマ化されたりしないから、何となくしか物語を知らなかった。もちろんCluelessが原作を元にしてるのはわかってるんだが、この映画は原作とCluelessを足して二で割った感じに近そうだな、という印象。美術も建築も衣装も美しいし、それでいてパステル調のポップさもあるところにこだわりを感じた。Sophia CoppolaのMarie AntoinetteとGreta GerwigのLittle Womenぽい要素もある。
まとめると、Anya Taylor-Joyが本当にかわいい。裕福で賢くて器量も良くて、慕われることが当たり前の境遇で生きてきた女の子。狭い世界でそう育てば、そりゃあ多少傲慢になったりするよね。ピクニックでBatesさんにぽろっと皮肉言っちゃうシーンも、正直Emmaの気持ちもわからなくもないから、めっちゃ胸が痛かった。私自身、毒舌吐いてああいう状況作っちゃったことあるなぁ〜と思い当たる節もあり、内省的になってしまう。私の中にもEmmaがいるんだよね。考えてみれば、彼女はいつの時代にもいるタイプの人間だし、むしろ誰の中にもいる普遍的なキャラクター。Jane Austenはすごいなぁ。
好きな場面はやっぱりついたてのシーンかな。今まで観たBill Nighyの役の中では一番かわいらしかったと思う、Love Actuallyの方がハマってはいるけど。あとJane Austen作品に出てくるキモい人はだいたい牧師なんだよね、高慢と偏見のCollinsさんもそうだし。Josh O’Connerの馬車のシーンはキモさと恐さが入り混じってて見事だった。
一つ気になったのは、NightlyさんとWoodhouse家の関係性が説明されないところと、彼のEmmaへの好意が最初見えにくいところ。Emmaは彼が家に入ってくると同時にピアノを弾き始めるから、彼に気にかけてほしいのが見えるんだけどね。彼自身まだ最初は彼女への好意に気づいてないんだと思うけど、もう少し何かあってもよかったかな。
エンドロールで音楽担当にIsobel Waller-Bridgeの名前があって、確かにFleabagと似た音楽だったかも、と思った。
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