このレビューはネタバレを含みます
イケイケの黒人女性が白人にわからせられたかと思いきや、逆にわからせることに成功してしまった物語。
逃亡開始する時のセンリツですら聞き取れないほどの隠密行動。そのためのおかしなステップとグリスだったのねと感心。途中で白人にバレて万事休すかと思いきや、お得意の話術から機転の効いた対応で2人まとめて始末してしまうしたたかさは流石博士といったところ。
お話それ自体は白人が支配するプランテーションから黒人奴隷が逃亡を試みるというありきたりなものだが、この作品のミソは、奴隷制度=昔の出来事という固定観念の裏をかき、昔と現代という2つの時間軸があるように思い込ませているところにあると思う。そのうえで時系列をイジり、関連性をぼかすことで、うまいこと謎を提供し、真相のありがたみにバフをかけていると思う。でもホテルでの不気味な女の子のシーンは必要なかったかも。
ブラックライブズマターな一本。